情熱のフラミンゴ
Passion of Flamingo
※英語名はなぜか「フラミンゴの情熱」
情熱のフラミンゴ
横浜公演特別企画
「オー・プラネテス」とは?
舞台『オー・プラネテス〜汝はどこにいる〜』は
情熱のフラミンゴにとって、最長となる創作期間をもうけた作品です。
2018年の秋頃 古代ギリシアの長編叙事詩
「オデュッセイア」を下敷きにした企画を考え
2019年 7月からワークショップを開始。
9月にワークインプログレス(製作途中公演)を
下北沢・ケージという野外スペースで発表しました。
そこから脚本を練り直し
11月 五反田アトリエヘリコプターにて本公演を実施。
そして
2020年2月15(土)、16日(日)
横浜・若葉町ウォーフで最終公演となります。
そこで、本公演を記念して多くの方から
言葉と声をいただきました。
「オー・プラネテス」とは?
最終地点である横浜公演をお楽しみに。
情熱のフラミンゴ
Comment
順不同
島村和秀の代表作!
人間と人形、操作する人と操られる人、無言とおしゃべり、耳鳴りと海鳴り、心の揺れと船の揺れがどんどんシンクロしていって、一晩の船旅が死後四十九日の旅路を思わせる夢の世界のよう。
でも漂流中の静けさは不気味で恐ろしく行き着く先は現実で。主人公の青木が夢と現実の狭間で揺れ動く様が観ていて歯痒くて可笑しくて愛おしい。
散りばめられた仕掛けを観客が自由に発見する懐の深さもあり、ますます好感でした。再演の航海も楽しみです!
金澤菜乃英(青年座・演出家)
「オー・プラネテス」、牙のない毒トカゲに噛まれたみたいにジワジワしみる諧謔。オデュッセイアなのに英雄では全然ない、傷つけ逃げ惑う冒険譚。その力無い優しさに、普段滅多にしない感情移入をしてしまいました。
屋代秀樹
(日本のラジオ代表・劇作家・演出家)
間違いなくおもしろい才能を持っているのに、
公演を観に行くといつも2つぐらい大切なものが足りなかった。
どうにも惜しいと思っていたら、
『オー、プラネテス』で大化けした。
惜しいところはひとつもなく、悲劇も喜劇も迫力に満ちていた。
本気を出しました、と島村和秀は言っていたけど、
それでこんなに良くなるものなのか。
私は密かに、彼が悪魔に魂を売って完成度を手に入れたのだと思っている。
徳永京子(演劇ジャーナリスト)
甘美なまでにすべてが手遅れなドラマ、からの底の抜けた現実への帰還。とにかく観てほしい。この〈ありえなさ〉は身に覚えがあるはずだから。
九龍ジョー(ライター、編集者)
氷雨降りしきる晩秋の夜、五反田のはずれにある工場跡の小屋で観劇。アシンメトリーで簡素な舞台の上で繰り広げられる現代語を駆使した芝居は見どころ満載であった。船上パーティという寓意そのもののような象徴的な舞台設定は観客の集中を促し巧妙である。
緻密に作り込まれたスムースな脚本とツボを押さえた演出。所々に顔を出す
そこはかとない狂気、気にはならぬが要領を得ないストーリーはもちろん未知の
暗喩に満ちていることの表れであろう、うますぎる俳優陣(新見綜一郎のカリスマ性に注目)による熱演も満足のいくものであった。
最終公演地は当作品に相応しいミナトヨコハマの由。凝りに凝った瀟洒な最新演劇の充実である。
高木壮太(PARKTONE RECORDS)
「あれ、なんの劇団を観てるんだっけ?」と観劇中にボーゼンとしたほど、これまでの情熱のフラミンゴと違う!? こんな作品もつくるんだ!?
美容整形、子ども、契約関係……。無意識の加害とズルさが連鎖していくうちに、誰かの罪だったはずのものが、自分の罪のような気がしてしまう。登場人物たちのトボけたゆるさは、滑稽だけど、切実で、まるで一人の男が夢を見ているような航海/後悔の1日の物語。
演劇的仕掛けとモチーフを散りばめた脚本と、すべてをなぎ倒していく俳優の熱。ずっとにやにやしながら圧倒されてしまった!
河野桃子(ライター)
「組織の寿命は人間の寿命よりも長い。」経営学の「きそ」の「き」である。
人生とは、自分よりも寿命の長いモノとの戦いと受容の歴史である。「会社」「社会」「世界」、寿命の長いモノほど、私たちを受容こそすれど、戦いの相手はしてくれないものである。
オープラテネスは「過去」と「現在」の相関関係の中で自転している「青木」という男の話である。終末の気配が、「波間」に「人間」にキラキラと漂う中で、彷徨う男の息遣いを見て欲しい。
島村くん、またどエライもん書いたな。君とお相手する「世界」は手強いぜ。
農協の滝瀬さん